基礎のキソこそ大事!「まち針の打ち方」
遅ればせながら、nunocoto読者の皆様、あけましておめでとうございます。
こぴよのおがわはるかです。
お正月のなごりも薄れてきて、もう初縫いも終わった頃でしょうか。
半年間のコラム連載も今回で最後になります。
最終回は少し基本に戻って、「まち針の打ち方」です。
洋裁には欠かせないまち針。
正しくは、外側から中へ、生地を1~2mmすくい奥まで針を入れないように打ちます。
私はこの「外側から中に打つ」というのにとてもやりにくさを感じているので
大抵まち針を打つときは、中側から外へ打っています。
きちんと留まっていれば問題ないのですが、このやり方はたまに指を刺します・・・。
やりにくい方法で基礎に沿うか、やりやすい方法を取って指を刺すリスクを負うか
どっちも選び難いですね(笑)
今回は私のいつものやり方でご紹介させていただきますね。
まち針には打つ順番があります。
両端にまず打ち、次にその中心に打つ、というのを続けていきます。
そしてここがポイント。
両端にまち針を打ち、その中央に打つ際に両端に打ったはち針の生地を軽く引っ張ります。
こうすることによって上下で歪みがあっても生地幅が整います。
これは洋裁の専門学校の先生に教わりました。
当時、そこそこ縫えていた私にとってはこれが衝撃的でした。
頭のどこかで「生地は決して伸ばしてはいけない」という考えがあったんだと思います。
中央にまち針が打てました。
今度はこの中央に打ったまち針と最初に打った端のまち針で軽く引っ張り、その中央にまち針を打ちます。
等間隔にまち針が打てました。
実は私はそれほどまち針を使って縫いません。 合印と縫い終わりに打つくらいかな。
まち針を打ちすぎると手の感覚が鈍くなるような気がしています。
それでもボーダーの柄合わせをするときはがっつりまち針に頼っています。
それこそボーダーの数だけまち針を打ちます。
ボーダーの柄合わせをするときは上に乗せる生地を出来上がり線あたりで谷折りをします。
折ったところを下の生地の出来上がり線に重ねて、伸ばしたり縮ませたりしながらボーダーを合わせます。
ボーダーの線を合わせてまち針を打ちます。
まち針を打ったまま縫っていきます。
ビシっと合っていると完成度がぐっと増しますね。
さて、最後に少し私の話をさせてください。
私は子どもが産まれるまで、割と黙々とひとりでミシンに向かっていることが多かったです。
周りにハンドメイドが好きな友だちもおらず、誰かと会話をすることもなく
ただただ作ったものを記録としてブログに載せていました。
いま思うと何かを作ることは楽しかったけれど、とても孤独でした。
その頃から技術の向上にこだわりはじめ、道具を買い漁りました。
とにかくきれいに縫えるように、少しのズレも許さず、そして糸の色や細かい部分にもこだわりはじめました。
楽しんでいるように見えて、同時に息苦しさも感じていたのが本音です。
そんなガチガチに凝り固まった考え方を払拭してくれたのは子どもでした。
きれいに縫えるようになることよりも、誰かのために愛を込めて手作りを楽しむという
本来の手作りの楽しさを教え直してくれました。
4歳の息子は洋服に対してとてもこだわりが強く、自分の好みがはっきりしています。
私が好きなコーデもさせたいな、とは思いつつ本人が着てくれないと元も子もないので
彼の好みに合わせたものを、息子のことを想いながら作ります。
そうすると
「ママ! これボクの!? すっごくかっこいい! ありがとー!!」
と零れんばかりの満面の笑みで喜んでいそいそと着替えてくれます。
その言葉と行動の中に、
「ママはボクのことを分かってくれてる! ちゃんとボクのこと見てくれてる!」
という気持ちが伝わってきます。
息子にとってきれいに縫えているかなんて関係ないのです。
大好きなママがボクの好きなものを作ってくれた、という気持ちが大切だったのです。
私は簡単に出来る縫い方や、難しいことをサポートしてくれる道具を紹介してきましたが
それはたくさんのママさんたちに
ソーイングにもっと気軽に触れてほしいという気持ちがありました。
うまく使えば息苦しくなることなんてありません!(笑)
既製品では味わえないこのなんとも言えない暖かい幸福感が
手作りされたものには詰まっています。
そしてそれはかけがえのない親子共有の思い出にも繋がっていきます。
きれいになんて縫えなくたっていいんです、誰かのためを想いながら作ったものは
どんな出来であろうと最高に感慨深い作品になります。
この半年間のコラムで少しでも何か作ってみようかな、と思っていただけたなら幸いです。
お声をかけてくださったnunocotoさんには本当に感謝しております。
こんな拙い文章に付き合っていただき本当にありがとうございました。
これからもぜひソーイングライフを楽しんでくださいね!