
ソーイングに欠かせない道具と、スムーズに縫うためのコツ(後編)
先日の前半からの続きです。
今回は、ソーイングの基本の基本、「縫い方」を紹介します。
私は割と普段から「縫い方」を模索するのが好きです。
ここにも、どうやったら苦手な作業をストレスなくやれるかという
私のせっかちで、そして横着者の性格がよく表れています。(笑)
初心者さんがよく、ソーイング本などを読んで、
これは正しい縫い方・これは間違った縫い方、などと勘違いしてしまうことがあるようですが、
実際に、ソーイングの縫い方に正解はないと思っています。
そういった点に関しては、家庭料理ととてもよく似ていると思います。
例えば肉じゃがの作り方ひとつとっても、
なんとなくは決まっていても、各家庭で作り方や材料が違ったりしますよね。
縫い方も一緒です。
それぞれ縫いやすいやり方で形になればいいと思います。
今回は、初心者さんでも簡単に出来るスタイとリボンの作り方のコツです。
このふたつ、物は違えど制作過程で一箇所、同じ工程があります。
それは「返し口」です。
両方とも返し口からひっくり返して形にします。
しかしひとえに返し口といっても、このスタイとリボンとでは出来上がりが全く違います。
スタイは返し口部分の縫い代は重なっていますが、リボンは縫い代を割ってしまいます。
ここをそれぞれちょっと縫い方を変えるだけで、断然きれいに仕上がります。
それではスタイから説明していきます。
まず、縫う前に返し口部分を出来上がりでアイロンをかけておきます。
これをしていないと返したあと、形を整えるのに苦労します。
返し口からぐるっと一周縫っていきましょう。
縫い目が分かりやすいように黒い糸で縫っています。
返し口の終わりまできたら、返し縫いをしますが糸はまだ切りません。
返し口の部分のみ、大きな針目で縫います。
この糸はあとで抜いてしまうので大きな針目の方が抜きやすいです。
一周ぐるっと縫わないと、返し口部分の生地がたるみ、まつり縫いのときに生地幅が合わなくなります。
そうならないための一手間です。
今度は返し口の印の上を、この写真のように二箇所縫います。
こうすることで返し口から返すときに生地が伸びるのを防ぎます。
先程縫った返し口部分の糸はリッパーや目打ちで取ってしまいます。
返し口から表に返して、アイロンで整えたら、返し口をまつり縫いして綴じます。
マジックテープやスナップをつけて完成です。
お次はリボン。
こちらも同じく返し口は大きな針目で縫いますが、
縫い代は割るため、スタイのように縫い代の合印部分は縫いません。
返し口部分の糸を取り、縫い代を割りました。
そして脇も縫い合わせます。
表に返しました。 ここで返し口をまつり縫い・・・しません。
この返し口はこのあとつける、中心布で隠れて分からなくなってしまいます。
隠れてしまうような箇所のまつり縫いなんて、私はしません(苦笑)
今回は綿を詰めてぷっくりしたリボンのヘアゴムにしようと思います。
中心を除いた四隅に出来るだけ均等に綿を詰めていきます。
綿を入れ終わり、中心布を用意しました。
この中心布、中表に縫ったものを引っくり返してから使う方法もありますが、
私はいつも下の写真のような両折にしただけのものを使っています。
細い紐を引っくり返す便利道具の購入を未だしぶっています(苦笑)
ここからリボンの形になっていきますよ~。
中心布をつける前に、まず糸できゅっと結んで形を整えます。
返し口の近くに針を刺して…
そのまま一周、本体を糸を回すと、
こうなります。
私は針を使っていますが、ただたんに糸で結ぶだけで良いと思います。
ゴムを中心につけてから、中心布を縫い付けます。
ここは隠れてしまう部分なので、割と適当に。
くるっと一周させたら、長さを調節します。
端をひと折りして、まつり縫いをします。
はい、これで完成です。
いかがでしたでしょうか。
便利道具で時間を短縮して、きれいに仕上げるために一手間加える。
ね、お料理にも通じるところ、ありますよね?