201410/27

vol.2 アルミのバット

器や調理器具を見て回るのは昔から好きでした。
料理を仕事にし始めて出会って特に気に入ったお店は、中古厨房機器販売店のテンポスバスターズ※1。

トング、皿、グラス、カトラリー、おぼん、製菓器具、重箱、果てはご家庭でなくても困らない「牛の形のステーキ用の鉄板」まで、あらゆる道具がびっしり棚に詰め込まれています。

「これ何に使うもの?」「ご家庭にこんなサイズのフライパン要らないよ!(注:厨房機器屋なので当然です)」と思うような道具類たちの、わくわくさせるのに決してお洒落ではないところ、東京・世田谷名物のボロ市巡りに似た楽しさ。
一度逃せば二度同じ道具に巡り合える保証はないのでドキドキ感もたまりません。

基本的に閉店した店の道具類がそのままごっそりやってくるので、誰かの不幸の上にこのお宝たちがあることを思うと何とも複雑ですが、お世辞にも美品とは言えない宝物たちを持ち帰ってから洗って磨く時間は、まさしく蜜の味。

前置きが長くなりましたが、そんなテンポスで購入したお気に入りに、4枚揃いの27cm×21cm×5cmのアルミのバットがあります。
それと、直径10センチほどの小さなボウルたち。

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買い足しができる保障はないので、見つけたときにいっぺんに買いました。
どちらもスタッキングできて、展開すれば作業スペースを拡大させてくれる優れもの。
これが調理中に大活躍します。

よく、建設現場などで「段取り8割仕上げは2割」と言います。
準備をきっちりやっとけば8割終わったようなもの、という意味なのですが、これはどんな仕事にもわりと応用が利くようで、もしも、効率よく調理をするのにイマイチうまくいかないと思われたら、日々の料理中に思い出して下さい。

料理は、メニューとレシピの決定、材料の買い出し、下準備に時間がかかります。
特に下準備の場合、量が多ければなおさらで、カレーケータリングの際は、必要量のたまねぎを剥いて刻むだけで1時間かかりました。

ヒントはいつだって記憶の中にあり。
たとえばテレビの料理番組を思い出してみましょう。
バットに材料、小鉢に調味料が計量されています。
あれを自分でもやってみればいいのです。

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必要な材料を入れるバット、下ごしらえ済みの材料を入れたバット、塩漬けや水切り、タレと和えるのにも使うし、中身が少なければ縦横を互い違いにして積上げられて省スペース。

なかでも、下ごしらえ中に必ず設置するのが「生ごみバット」。
下ごしらえ前の材料を盛り入れておくバットとは別に1枚用意して、皮むきなどは別なバットを広げてその上でやります。
たまねぎの皮を剥いてはバットに捨て、ピーラーを使っては真下のバットに捨て、ピーマンの種も、にんにくの芽もここに集めていきます。

ゴミ袋の口の狭い場所にゴミを捨てるぞと神経を使う必要もないし、流し台に直接落として、後で掃除を複雑にすることもありません。
生ごみは水分を含んでだんだんと「触りたくないもの」になり、乾いてあちこちにこびりついて「厄介なもの」になります。

余計な水分を含まない生ごみはいつまでも材料の一部のような気配のまま。
ある程度溜まったらそのままレジ袋へあけ、下ごしらえを続けます。

流しの三角コーナーには、最初から水分を含んでいる細かいもの、たとえば茶殻や泥野菜を洗った後のボウルにたまった泥、生ゴミバットに残った細かい野菜くずなんかだけです。

仕上げはレジ袋のぎゅっと口を絞って捨て、バットを洗えばオッケー。
本当に楽ですよ。

あっ。
今月は料理の話しなかったな。

※1 残念ながら会員制ですが、ご興味ありましたら飲食店勤務のお友達を作ってぜひ潜入してもらいたいです。

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「注文の多い道具たち」の一覧

vol.6 生活を彩り記憶する
vol.5 木べら
vol.4 飲み物道具の話
vol.3 パキスタンから来た皿
vol.1 鉄のフライパン
椎名奏木

1981年東京生まれ。2009年より旅するカレー屋スプンフルの屋号でカレー専門ケータリングを開始。老若男女楽しめる南インド風のカレーを、ライブ、イベント会場、撮影現場などで作る。2012年9月より新宿ゴールデン街無銘喫茶にて毎週火曜日のバー営業スタート(2014年9月まで)。11月から新天地にて絶賛奮闘中。

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