20149/29

vol.1 鉄のフライパン

nunocoto読者のみなさま初めまして。
料理を作ることをメインのナリワイにしている椎名奏木と申します。
この度、道具と食べ物について書くこととなりました。
どうぞ、以後お見知り置きを。

*

さて。

まともにテフロンのフライパンを使ったのは一人暮らしを始めてから。
しっかり日々の料理を作るようにデビューしたのも意外に遅い。
根っからずぼらなため、くっつかないことに大変感動したのもつかのま。
すぐに、肉がおいしそうに焼けないことが不満になりました。

鉄のフライパンは重たいしコツがいる。
使った後には手間がかかる。

空焚きできないテフロンのフライパンでは、
かんかんに温めたフライパンにベーコンを入れた時のジュージューいう音が聴けないし、
かんかんに温めたって肉の脂がジワジワしみ出すのを見るまえに
つまらない焦げ方をする。
わくわくしない料理のあとにお気に入りのお皿に盛りつけたって気分は当然あがらない。

しばらくして、残念じゃない目玉焼きが食べたくなって近所の荒物屋へ鉄のフライパンを買いに。

それ以来、肉類を焼くのに焦げ目が決め手の時は鉄のフライパンを使っておりまして、鉄製品大好き!
中華鍋、南部鉄器の一人分にもやや小ぶりな取っ手の外れるスキレット、鉄瓶などなど。
日常の不注意でダメにしてしまったものもありますが、臆せずどんどん使っています。

今回ご登場いただくのは成田理俊さんのパンケーキ用パン。
どういう仕組みなのか、油をひかずともパンケーキがくっつかずに焼けます。

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とはいえ、甘いものが苦手なので、我が家ではスパイスや豆を炒ったり、フライドポテトを盛り付けたりする方面で現在ご活躍中。

手のひらを思いっきり広げたくらいのサイズのフライパンです。

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よく温めたフライパンに少しのサラダオイルをたらしたら、広げながらフライパンの中をよく観察する。
サラダオイルが熱で緩んでいく。具体的な温度はわからなくていい、ここだ! というところまで緩ませたらベーコンを投入。じゅー! 音よし!!

火加減に注意しながら、次第に張り付くベーコン。これは気にしなくていい。
然るべき熱が入れば鉄のフライパンからベーコンはするっと取れる。脂身の中をパチパチと白い亀裂が走っていく。
裏に返して慎重に卵を落としてふたの隙間から水を入れて水蒸気で蒸し焼きにする。
水滴のガラス越しに黄身の上に薄い膜が張っていくのを、お好みの手前で火を止めて、塩胡椒がりがり。
すばやくお気に入りのお皿にうつして出来上がり。

並行してトーストを焼いておいて、焼き上がりのトーストの上にのせれば
「天空の城ラピュタ」のヒーロー、パズーのパンの出来上がり。

使い終わったらお湯で流してたわしでこびりつきを落とします。
とはいってもそんなにこびりつきはないはずです。
やってはいけないと言いますが、私はたまにスポンジと洗剤でも洗いますが別段問題はなさそうです。
お湯ですすいでから火にかけて30秒ほどで乾きます。

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こちらは南部鉄器のスキレットですが、
これくらいの水分が残ったところで火を止めてしまい、フライパンをまわして水分を移動させれば余熱で蒸発します。

表面が乾燥していそうであれば、揚げ油の残りでも薄くひいてケア。
お肌の乾燥具合の見極めは、みなさん慣れていらっしゃると思います。
粗熱が取れたらしまって下さい。簡単です、しばらくほっといてお風呂にでも入ってくれば良いのです。

目玉焼きひとつだって、全身全霊で作ったものは、過程からごちそうさままでが立派なごちそう。
耳と目と手と感覚いっぱい使って、少しめんどくさい相棒とのお料理。

無理になさらず、気が向いて時間が許せばぜひどうぞ。

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「注文の多い道具たち」の一覧

vol.6 生活を彩り記憶する
vol.5 木べら
vol.4 飲み物道具の話
vol.3 パキスタンから来た皿
vol.2 アルミのバット
椎名奏木

1981年東京生まれ。2009年より旅するカレー屋スプンフルの屋号でカレー専門ケータリングを開始。老若男女楽しめる南インド風のカレーを、ライブ、イベント会場、撮影現場などで作る。2012年9月より新宿ゴールデン街無銘喫茶にて毎週火曜日のバー営業スタート(2014年9月まで)。11月から新天地にて絶賛奮闘中。

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