テキスタイルデザイナーさんのアトリエに行ってきました。
こんにちは。スタッフの小宮です。
実は今、nunocotoでは、オリジナルファブリックの開発を進めています。そろそろデザインも大詰めになってきました。
テキスタイルデザイナーさんとはメールでやり取りをしたり、電話でニュアンスを伝え合ったりしつつ、でもやっぱり大事な色の部分は、アトリエへお伺いして一緒に目の前で決定していきます。
そこで先日、デザイナーさんのアトリエへお邪魔したときの様子をチラリと。
伺ったのは、オリジナルのファブリックブランド「TSUGENO TEXTILE DESIGN」を展開されている告野展子さん。なんとご自宅にアトリエとシルクスクリーンの装置も備え、デザインから刷りの作業まですべてご自身の手で行っていらっしゃるとのこと!
ドキドキワクワクの打ち合わせにGO!です。
↓こちらからどうぞ♪
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スタッフ(以下ス):えーとそれじゃ、りんごちゃんですが、これどうしましょう、葉っぱの葉脈のところ、白抜きありとなし、どっちがいいかなあってまだ迷ってます。
告野さん(以下告):ベタ塗りの方が、フォルムのかわいらしさ、素朴な感じが出ると思いますよ。こんな感じで…(色を塗ってみる)
ス:あーいいですね、遠くから見てみよう。
うん、映えますね!スッキリして見えていいです! じゃあなしにしましょう。このりんごちゃんは、告野さんのオリジナルファブリックにも、よく登場しますよね。
告:そうですね。一番売れてると思います。わたし自身、大好きなんですよ。
だから色を変えてコンスタントに刷ってますね。
ス:今回、nunocoto用にアレンジしてくださった部分はここですよね?(茎を指さす)
告:はい。とっても微妙なんですけど(笑)
あと、りんご自体のカーブも、ちょっと変えてます。ちょこっと小ぶりな感じに。りんごとりんごの感覚も少し狭くしてみました。ベビーのスタイにも使えるかなあと思って。
このりんごたちも一つ一つ手描きなので、表情の違いを楽しんでいただけたらいいなと思います。
ス:ほんとですね、このラフさがいいですね。スタイに合いそう。
告:また、色を変えてみると、印象がだいぶ変わりますから。淡い系でも可愛いですよ。
青りんごとかね。
あ、じゃあ色つくってみましょうか。
告:赤って言ってもほんのちょっとでニュアンスが全然ちがってきます。
これがそのまんまの赤。
ちょっとオレンジを足してみましょうか。
ス:おおーっ。おいしそうな感じになりましたね。ジョナゴールドみたいです。
告:でも、結局シルクスクリーンのプリントの色って、布にのせたときにどんな色にしたいか、だから。
ベースにする布の色で、見え方が全然ちがってきますからね。
(壁にさらりとかけてあった、りんごモチーフの布パーツを持って)
たとえばこれは生成りのコットンにプリントしたものですけど、女の子のワンピースなんかをイメージして、明るめ色にしてみました。
ス:あー、可愛い!赤というよりオレンジに近いですね。
告:そうですね。で、こちらは大人の女性のスカートやキッチンアイテムなどに良さそうな、渋めのトーンのリネンにプリントしたもの。
ベースに合わせて、りんごの赤のトーンも変えています。
ス:ほんとだ。たしかにこのこっくりとした赤が、グレーに近いリネンに合いますね。りんごなのに大人っぽい!
告:今回のnunocotoオリジナルはどういう赤をイメージしてますか?
ス:ダブルガーゼに乗せるなら、生地のふわふわ感に合うような、優しい赤がいいんです。
告:こんな感じですか。
(いろを混ぜ混ぜ)
少しピンクを足したり…。
ス:ちょっとピンク過ぎるかな。もう少し朱色寄りで、薄く?っていうかなんていうかふんわりとした感じ…
告:クラフト紙に塗ってみましょうか。ベースが白でないならこっちの方がイメージが近くなるかも。
少しオレンジを足して…
ス:いい感じですね、この色いいです。でももう少し軽やかなイメージにできますか。
告:あーそうしたら透過を70%ぐらいにしましょうか。
ス:なるほど。そんなこともできるんですね。
ベースは生成りっぽい色にする予定なので、うん、それでいきましょう。
告:最終的にはこれを染色工場に持っていって、職人さんに、この色を再現してもらうという流れになります。最後はやっぱり人の目と手で仕上げます。
色談義はまだまだ続くのですが…。
このあと、シルクスクリーンの現場へ移動します。同じフロアの別室にありました。
だーん!と迫力のシルクスクリーンの装置。
6メートルの布がこちらで一気に刷れるそう。
こちらの染料たちを使って…、
ちょっとだけ特別に刷っていただきました!
こうやって版を乗せて…。
染料を乗せたら…
一気にハケでシャッシャと伸ばします!さすがの手さばき!早い!
シャシャシャー!
できた!
ほんとにあっと言う間でした。
でもこれが6メートルともなると、大変な作業です。
実際にはこの後、お庭で盛大に干されてめでたくオリジナルの布が完成するそうです。
(布の表面のノリを落とす水通しの作業は、刷る前に行う)
いかがでしたか♪
テキスタイルデザイナーさんのお仕事、いや、モノづくりの現場ってどうしてこんなにワクワクするのでしょう。
オリジナルファブリックがどんな風にでき上がっていくのか、また紹介させていただきますね。
道のりはまだまだ長いっ!