新しい年、愛らしいお菓子とともに春を待つ。
2016年になりました。
皆さま、今年も「あまいお菓子のおたのしみ -昼下がりの甘味-」を、どうぞごひいきに。
さて今回は、お正月の楽しくも慌ただしい時間が一段落、
お子さまの冬休みもおしまいになった頃に、おすすめのお菓子をご紹介します。
まずは、いかにもおめでたい雰囲気がうれしい森八の上生菓子、
珠鶴(たまづる)と松重(まつがさね)。
お菓子屋さんを訪ねてみれば、キュートな上生菓子が随分増えたなあと思うけれど、
私はどちらかというときれい目好み。
森八の上生菓子は、ちょっと控えめなくらいやさしげな雰囲気で、色あいがとても美しい。
特にこの珠鶴、中のこしあんが少し透けてグレーに見える部分などは、
ため息が出るほどである。松重の緑色も、鮮やかだ。
もちろん、口に運べばすうっと広がる甘みにもう一度ため息が出る。
加賀藩御用菓子司でもある森八は、日本三大名菓である長生殿で知られる老舗中の老舗。
さすがの貫禄、大勢で食べていても、なんだかしみじみと味わってしまうお菓子だ。
続いては、同じく金沢の福うさぎの、蒸しまんじゅうときんつば。
蒸しまんじゅう福うさぎは、餡が5種類。
五郎島金時(サツマイモ)・能登大納言・棒茶・能登産かぼちゃ・
石川県産ゆずで、いずれも石川県の名産品だ。
餡の味はくっきりと濃く、皮はもっちりと弾力があり、
食べてみると小さくて愛らしい見かけの印象がガラリと変わる
しっかりとしたお菓子だと思う。
きんつばは、五郎島金時と能登大納言の2種類があり、こちらはあっさりタイプ。
重たくないので、おやつだけではなく、デザートにもいいし、年配の方にも喜ばれる。
そしてどちらもお菓子も、包み紙をそのままお皿代わりにしてしまうような
カジュアルなお茶の時間にも似合う。
しかも、その無造作な景色をかわいくしてくれるパワーがある。
素材の金沢らしさに新しさも加味された、手土産にもおすすめのお菓子である。
最後は、銀座菊廼舎(きくのや)の冨貴寄(ふきよせ)を。
冨貴寄は、小さな干菓子が約30種類詰められた菊廼舎の代表銘菓。
宝づくしと呼ばれるおめでたい図案がたくさん描かれた
オリエンタルな缶(縁が金色のところも好き)を開けると、
中にはいろいろな形をした小さなお菓子がいっぱい! かわいい!!
入るところまできっちりと詰められているのも、
お店の真面目さが感じられていいなと思う。
特筆すべきは、食感や味のバリエーションの豊富さ。
かりかりサクサクぽりぽり……それから時々シャキッ、ぽくっ!
ひんやりとしてなめらかなお砂糖はしっかりと甘く、
のりやごまのかかったものはしょっぱい。
小さくてどっさりあっても、どんな味があるかを楽しみに、
飽きることなくどんどん食べられてしまう。
ちなみに、冨貴寄には季節限定缶やお祝い用のオリジナル商品がある。
お年寄りにも小さな子にも安心なお菓子である上、
板状のお干菓子にメッセージを入れることもできるので、
内祝いや創業・退職・還暦のお祝いなどに、使いたい。
冨貴寄の缶のある風景というのは、とても絵になると思う。
立春まであとわずか。
かわいらしいお菓子を一緒に、穏やかに待ちたいものである。
皆さま、どうぞ召し上がれ。
【今回ご紹介したお店】
・森八 http://www.morihachi.co.jp/
・福うさぎ http://www.fukuusagi.jp/
・菊廼舎 http://www.ginza-kikunoya.co.jp/index.html