20157/2

夏バテ対策! おやつでココロとカラダを健康にしてみる。

「白南風」は、しろはえ、と読む。
書いても読んでも優しげなのに、
白南風は、実は、梅雨明け頃に吹く風― 要は熱気を運ぶ風のことを言う。

やってきますよ、今年も夏が!

というわけで、夏バテにならぬよう、今年は早々からおやつも夏仕様に変更。
もちろん、かき氷もアイスクリームも大好きだけれど、
頻繁に口にするものは、力の付きそうなものにしよう、という計画です。

まずは愛する「あんてぃーく」を一口。
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あんてぃーくは、京都は今西軒のゆで小豆である。
「要冷蔵」のシールすら愛おしい、このレトロな佇まいをご覧あれ。
瓶の中には、このお姿の通り、
間違いのない、瑞々しいとろりとした小豆がたっぷりつまっているのである。
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我が家は、スプーンでそのまますくって食べたり、
たっぷりバターと小豆であんバタートーストにしたりしているうちに
たいてい(あっという間に)食べきってしまう。
お餅やアイスはたまたクレープにのせても、お汁粉にしても、
ちょっと煮詰めてあんこにしても本当においしい。

今西軒は、おはぎの老舗だ。
素朴かつ小豆の味をしっかり残したあんこの味はとびきりで、
比喩ではなくいくつでも食べられるけれど、ただ一つの問題がある。

おはぎは、京都に行かないと手に入らない。
でも今西軒のゆで小豆は、瓶詰という形で届けてもらうことができるのだ。
新幹線に飛び乗る日を夢に見ながら、今日は自宅で京の味をペロリ!
ありがたいことでございます。
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ちなみに、小豆にはたんぱく質のほか、ビタミン類やカリウム・鉄・食物繊維などが
含まれているという。地味な見た目ながら、優等生なのである。
そういえば出産でお世話になった病院の先生は、体重増加にそれはそれは厳しくて、
「太るべからず! 食事の前にキュウリを10本食べなさい!!」と言うようなお方だったのに、
小豆についてはわりと前向きだった気がする。
(お砂糖なしで食べないといけないのですけどね。
バターてんこ盛りなんて、口が裂けても言えませんけどね)

もちろんあんてぃーくは、そんな薀蓄なんて逆に恥ずかしくなってしまうほど。
理屈でなく、好ましいのだ。
でも、健康が理由であれば、ちょっと贅沢なお取り寄せも許されるかな、
と思う私に賛同して下さる方も、きっといらっしゃると思うのである。

そして、プルーン。
食べ始めたのは貧血のためなのだけれど、
そのおいしさゆえおやつの位置にいるのが、富澤商店の「肉厚プルーン」。
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歯ごたえ・量感ともに、まさに「に・く・あ・つ!!!」なプルーンです。
ほんのり甘く、かすかに酸っぱく、ずっしりしているのに爽やか。
一粒の満足感は、きびだんごに匹敵するようであります。

私はいつもそのままもぐもぐいただいているけれど、
さすが食材を扱うお店として有名な富澤商店、購入時に
「パウンドケーキやタルトにしても贅沢でおいしいですよ」と教えてくださった。
ご興味のある向きは、ぜひお試しあれ。

それから、アヤベ製菓の「たべるきなこ」。きなこのお干菓子です。
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また干菓子かい! というツッコミが聞こえた気がいたします。
好き嫌いのあるお干菓子をご紹介し続けるのはどうかなと自分でも思うのです。
しかし! 『しろばんば』で知られる文豪・井上靖は、落雁に惹かれ、
どこへ行っても落雁を購入し、落雁に義理を立て仁義を切り続けたそうですが、
私のお干菓子とのお付き合いもなかなか深いもののように感じられます。
どうかご容赦ください。

さて、このたべるきなこ、堅そうな見た目に反して、噛むとホロリ。
とはいえ、そのホロリ感、落雁のようにしっとりギュッと詰まっている感じではなく、
ポップコーンのように空気を感じさせるわけでもない。
分子間の結合力が弱いんだなと思わせるような、軽い食感です。
香ばしさやムキュムキュした食感など、きなこの良さを活かしたお菓子で、
ありそうでない、「はまる」味わいと言えるでしょう。
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国内産大豆100%で、三温糖が使用されているとのこと、
能書きもなかなか優秀なので、ちょっとしたプレゼントにも良さそう。

ナチュラル系のお店などでよく見かけるこの「たべるきなこ」、
私はURBAN RESEARCH DOORSにて購入!
この素朴さが、案外ステキインテリアともなじむようです。
DOORSでは、売り切れてしまうのが早いそうだから、
気になる方は見つけたらお早目に。

おいしいもので、良い夏を過ごしたいですね。
甘辛党の夏、鱧もウナギも待ってくれているはず!

皆さま、どうぞ召し上がれ。

【今回ご紹介したお店】
・今西軒 http://www.kyo-machiya.jp/shop/gourmet/imanishiken/
・富澤商店 http://www.tomizawa.co.jp/
・アヤベ製菓 http://ayabe-seika.co.jp/index.html

「あまいお菓子のおたのしみ -昼下がりの甘味-」の一覧

花笑う頃、思い出のお菓子を振り返ってみる。
お皿の上ではもう春、を堪能してみる。
新しい年、愛らしいお菓子とともに春を待つ。
慌ただしい師走には、一口で別世界へ行けるお菓子を選ぶ。
自然に近い滋味のあるお菓子で、秋に浸る。
職人技に感激! 多彩な栗菓子にときめく。
草花にお菓子に、繊細な秋を見つける。
涼やかなお菓子の力で、優雅に残暑を楽しむ。
暑さと雨とにめげそうな日には涼やかなお菓子をいただく。
若々しい新茶には伝統の小さなお干菓子を添える
春に誘われて乙女な和菓子をいただく。


◇おしらせ◇


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高橋真生(ひらがな暮らし案内所ライター、文章表現講師。 暮らしや育児・本など、人とことばを軸にした情報の発信と、自分の思いを表現する力をつけるお手伝いが主な仕事。 甘いもの好きで、やんちゃな男児にてんてこまいの新米母。 ■ブログ ひらがな暮らし案内所 http://hiraga7.exblog.jp/ ■AllAbout公式ブログ 日本のこと、日本のことば http://maitaka84.hatenablog.com/

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