スウェーデンの伝統、手作りの木工品たち。

こんにちは!5月になりましたね。スウェーデンも少しずつ暖かくなってあちこちに残っていた雪も、もうすっかり解けました。
今日は息子とワンコのお気に入りの道を数か月ぶりにお散歩しました。

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湖をぐるり一周するこの道は、除雪車が通れないため冬の間は通行止めになっています。

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道をそれて、木々の間に入って行った息子たちが枯葉の間に、雪割草をみつけました。

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スウェーデンでは雪割草が雪を溶かして、春を連れてくると言われています。まだ雪が残る野原や、枯葉の中に、青くて小さな花を見つけるととてもうれしくなります。
でも、青い雪割草は絶滅危惧種のため、摘むことが法律で禁止されています。
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そして、白樺のコブも見つけました。
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白樺のコブは、幹が傷ついたところを長い年月かけて樹液が覆ってできるそうで
大きくなるまでにとても長い時間がかかる貴重なものです。白樺の木はスウェーデンのあちこちにありますがコブはなかなか目にすることができません。
さて、この貴重なコブから作られる我が家の宝物をご紹介します。ラップランド(=北スウェーデン)から伝わる「コーサ」です。

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もともとコーサは、スカンジナビア半島北部の先住民族サーミ人が紐で腰のベルトにつるしていつでも持ち歩いていたものです。
森の中で泉を見つけると、コーサで水を汲んで飲んでいました。

コーサは、手になじみとても持ちやすく水が入ったままデコボコの場所に置いても倒れにくいというアウトドアで使うには大変便利なものです。
木のコーサは貴重で高価なものですがアウトドアのお店では、プラスチック製のコーサがたくさん売られています。
息子の学校では生徒一人一人にプラスチックのコーサを貸し出してくれています。紐で生徒各自のコートかけにつるしていて
外で遊んで喉が乾いたら、コーサで水を飲みます。

週に一度森へでかけるときには、リュックサックからつるして持っていき皆で沸かしたホットチョコレートをコーサに入れて飲みます。
熱い液体を入れても、柄は熱くならないのでとても便利ですよ。

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ちいさい柄杓のような形をしたコーサ(写真右)と摘んだベリーを入れるのに便利な入れ物(写真左)。この入れ物も白樺のコブから作りました。

ラップランド出身の主人の祖父の手作りです。

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↑こちらの写真の右のコーサは私が作りました。
私は、庭の苺を収穫するときに、この入れ物を使ったりコーサに塩を入れてテーブルに出したりお茶するときに、使ったりしています。

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お爺さんのイニシャルが刻まれています。

コーサは、機能的でとても便利ですが原材料の白樺のコブが貴重なことと作る過程で強度を出すために長時間塩水で煮るため大量生産ができません。
大切に使っていきたいと思います。

さて、ここでおまけをひとつ。

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我が家の「ダーラナホース」たち。スウェーデンのどの家庭でも、一つはダーラナホースがあります。
スウェーデン人の心の故郷と言われているダーラナ地方発祥の
木彫りの馬です。
昔はお父さんたちが子供のおもちゃとして手作りしていました。

今では、赤ちゃんへ「幸福を呼ぶ贈り物」としてダーラナホースを贈る習慣があります。

10年ほど前に木工を習い、コーサを作りました。
コツコツ木を彫る作業がとても好きだったのですが材料である白樺のコブがなかなか手に入りません​でした。​
そんなときに、姑の出身地であるダーラナ地方​の​お土産屋さんでダーラナホースの作り方を習いました。

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さっそくナイフを買い、木を削ってダーラナホースを作り始めました。
初めの一つは、もちろん息子へのプレゼント。
そして、大切なお友達のお腹にいる赤ちゃんの幸せを願って、2つ目を作りました。
​それから​10年の間に、いくつ作ったのか数えていませんが、ほとんど手元に残っていません。

知り合いの大切な子供たちのそばで成長を見守ってくれていると思います。

「スウェーデンの暮らしごと」の一覧

スウェーデンの夏の風物詩。ザリガニパーティ!
我が家の庭からいろいろベリー!
スウェーデンに夏が来た!
スウェーデンのお嫁入り手しごと
ポスク(=イースター!)で、スウェーデンに春の訪れ。


◇おしらせ◇


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スウェーデン人の主人と9歳の息子と共に、スウェーデンの首都ストックホルムから100kmほど離れた街に暮らす。スウェーデンの手仕事や季節の行事、インテリアなどをシンプルな視点で紹介するブログが人気。

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