Kawacolle(カワコレ)主宰:keecoさんインタビュー

“かわいい”って実はちょっとむずかしいと思うんです。
100人いたら100通りのかわいいのイメージがあるから。でも、だからこそ、自分だけのかわいいが集まったサイトがあったら、ウキウキするにちがいないのです。
「Kawacolle(カワコレ)」を主宰するkeecoさんも、いつからかそう思っていて、それで作ってみたら思ってたよりもずっと楽しくて。今、keecoさんだけのとっておきの“かわいい”が、こんなにもみんなをウキウキさせてくれます。
後半は、keecoさんが最近出会ったかわいいものを、たくさん紹介しています!
ぜひ最後までお読みくださいね。


かわいいものを一つの目線でとことん紹介する。そんなサイトが作りたかった

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もらった名刺からショップカード、タグまで、小さくてかわいい紙モノは宝の宝庫!

― Kawacolleのサイトはお一人で運営されていらっしゃるのですか。

「そうです。構成も撮影も文章もページ作成、デザイン、すべて私一人でやっています。
そもそもサイトを始めたのが、自分がかわいいと思ったものだけが載ったサイトを作りたいな、って思ったからで。
かわいいってみんなが持ってるはずの感情の一部分なのに、そこでカテゴライズされてるサイトって意外と無いなって。」

― かわいいモノを集めよう、みたいないわゆるまとめサイトも増えてきていますよね。

「かわいいなら何でもいい、っていうのはちょっと私がイメージしているものとは違うなって思ったんです。
たとえば、私はデザイン性のあるモノが好きで。かといってメジャー過ぎてもいなくて。ハンドメイドの手づくり感の素朴さ、そういう感じでもなくて…その中間のあたりが好きなんです。そういうのだけを集めたい。って、わかります?(笑)」

― なんとなくわかります(笑)。わたしもその周辺は好物です!
Kawacolleさんのサイトで紹介されているモノたちは、だからこそ不公平感が無く、どれも同じようにかわいく見えるんですね。一人称が同じ人だから。同じ視点で捉えられてるなーって。それが心地良いです。

「最初は職業柄、かわいいウェブサイトを探していたんです。そうしたらプロダクトや紙ものも気になりはじめて…。今に至ります。」

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普段はウェブデザイナーとして会社に勤めるkeecoさん。Kawacolleの運営のために、ぴったり定時で仕事を終えるように。

いちばんかわいいところをクローズアップ!

― ちょっと気になっていたのですが、サイトで紹介しているたくさんのモノたち(6月末現在で約750アイテム)。あれは実際に買っていらっしゃるのですか。

「最近は買えるものはほとんど買ってますね。はじめのうちは画像を引用していたんですけど、“もっとアップで見たい&見せたい!”とか“もうちょっとこっち側が気になる!”とかなってくると、買った方がいいなと思うようになり…。というか好きと思ったものは手元に残しておきたい、というのが正直なところですかね。まあ、地方のお菓子とかだと送料がすごく高くなっちゃうこともありますけど。」

― なるほど。毎回の撮影も大変かもしれないけれど、好きな部分を撮れるのはやっぱりいいですよね。撮影は自前のスタジオですか?

「スタジオというか、自宅の一室に、いつもここで撮る!って決めてるスペースがありまして。撮影するときだけ白い画用紙を押しピンで壁に刺してるから、ちょっと壁が穴だらけになってきました(笑)」

― そうなのですね(笑)。 でも、だからなのか、どれも同じトーンでとても綺麗な写真です。

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これのここを見せたい!という気持ちが写真から伝わってきます。(画像提供:kawacolle)

「ありがとうございます。雰囲気が作品ごとにぶれないように、とはいつも心掛けています。
我が家のあの場所だと、午前10時付近の光がベストだということがわかってきました。最近は単焦点レンズにも興味が出てきて…(笑)」

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白画用紙×午前10時の光、がこちら。(画像提供:kawacolle)

デザインはプロダクトの新しい魅力を引き出してくれる

― 正直あれだけのかわいいものを、どうやって見つけるのでしょうか。普通に歩いていてかわいいものに出会ったり…しますか?

「え、すごくありますよ! 身近なものなら、スーパーマーケットに行く時もそういう目で(かわいいものを探して)歩きますよね。基本的に(笑)。旅行なんて行ったらもう大変ですよ。例えば、道の駅には意外とかわいいものがあって、見つけたら必ず寄っちゃいますね。地方のお土産、お菓子とかそういうのは、今後力を入れていきたいジャンルの一つなんです。とにかくやたらかわいいのが多くて…!逆に言えば、ずっとあったものでも、デザインをかわいくしたらすごく売れるのにと思います。」

― アンテナショップとか行ってもおしゃれなパッケージが増えたなあと思います。そういえば。

「‘日本の都道府県のいいもの’を揃えた常設のアンテナショップは楽しいですよ。なるべくウェブではなく実際のショップで買うようにしています。ちゃんと手にとって見てから買いたいし。あとはやっぱり送料が(笑)」

送料はさておき、「プロダクトとしてのクオリティやデザインが優れていれば、値段はそれほど問題ではないと思います」と、きっぱりなkeecoさん。

とにかく、デザインというもの力を尊重されているのだな、という想いがひしひしと伝わってきます。

「私自身はあまりデザインが得意とは言えなくて、だからこそ、描ける人、デザインする人のことをリスペクトしています。それなりに時間がかけられて、プロの力が注がれているデザインが好きですし。」

「デザインは、ほんとに難しいです。だからこそ優れたデザインを、ここではかわいいデザインということですけど、紹介することなら自分にできるな、と。最近は、サイトを見てくれる人のことも考えるようになりました。(紹介するアイテムの)半分は完全自己満足の世界だけど、半分はこれは教えてあげたいなと思うものですね。」

かわいいもの、持ち寄りました!

さて、さっそく、keecoさんの最近のお気に入りのかわいいモノ、見せていただきました!

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「さっきの話でもあった、送料が高くなってしまったパターンですが(笑)。宮崎県にある、ごかせ農園さんが作ったパプリカゼリーです。このパッケージ、はなうた活版堂さんのデザインなんですけど、とても味わい深いんです。ほんとの味はまだわかりません。可愛くて食べられないですね。」

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「これ、サバの缶詰のラベルです。デザインが加わることで、商品の魅力が一層引き立つ素敵な例だと思います。」

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「メリーチョコレートさんの、2015年版バレンタインパッケージです。「ショコラーシカ」。自分用に買いました!」

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「大阪へ行ったときに買った、BlueMountainのお菓子のパッケージ。本型がかわいくて。これ、閉じるところに磁石が入っているのか、ピタっとくっつんですよ。」

ちなみにこういったパッケージも全て保管しておくというkeecoさん。自宅のクローゼットに収納しきれなくなったものたちは、そのままご実家へ!

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「レトロポップなデザインがかわいいですよね。山形のさくらんぼサイダーです。」

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「これも山形のもの。お米なんですけど、ハガキみたいになっていて、裏に住所とメッセージを書いてそのまま切手を貼って送ることができるそうです。」
― 山形熱いですね!

そしてかわいいものは紙モノへと…。

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ファイルに収まり切らないほどのかわいい紙モノたち!これもまだまだほんの一部。見慣れたポーターさん、こうやって見るとかわいい佇まいなんだなぁ、と再発見!

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「尾道への旅の間に収集した(ゲットすることをこう呼びます)小さな映画館『シネマ尾道』さんのリーフレットです。手描き感溢れて素敵なんですよ~」

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― これはかわいいー!! 作品のラインナップもいいですね。

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「あと裏の手書き地図もいいんです、見てくださいこれ。超ゆるい!(笑)表のイラストも毎回変えているみたいだし、レベル高いです。」

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― (あ、マスキングテープの展示会DMだ…。)こちら、毎回行ってらっしゃるんですか?
「いえ。さすがに全部は行けないですね。他のフライヤーも、実をいうと中身はそこまで見てなくて…。私にとっては、この紙面、このデザインの方が重要だったりするので。」

なるほど。

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「これもそうですね。何のイベントだろ…?(笑)デザインもいいけど、印刷の質感も素敵なんです。イベント系のフライヤーは、配布期間も限られているので、一期一会だと思っています。」

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― あれっ、ピザ?ドミノピザ、ってあのドミノピザですよね!?

「そうです、そうです。ピザ系のチラシでは、ドミノピザさんのはフォント使いがけっこうかわいいんですよ!」

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― ほんとだ…。かわいい。
ポストにさりげなく入っていたりするから、じっくりそういう視点で見たことなかったです。ドミノピザさん、今まですみません。

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ぼてっとした文字がかわいい!

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「これは現地の方から『きっとお好きだと思うので!』と送られてきました。」

― そういうこともよくあるんですか?

「しょっちゅうあるわけではないですけど。ちなみに(サイト上で)紹介したモノをデザインした人、販売している人、企画した人など、、、関係者の方々から連絡をいただくことは時々ありますね。『紹介してくれてありがとう』って。そういうつながりができることは、Kawacolleをやっていて嬉しいことの一つです。」

まだまだ話は尽きませんが、最後に私の持参したかわいいものもいくつか紹介させていただき、おひらきとなりました。

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そのうちの一つ、「島もよう」(伊豆七島だけの島ガイド)にじぃっと見入るkeecoさん。
表紙のかわいさ(と島好きなため)で持参したのですが、「中身のレイアウトもかわいい!」と言っていただけました。…なぜか私もうれしい!

インタビューのつもりが、かわいいもの持ち寄り会の楽しさも味わえてしまいました…♪



女子=かわいいものが好き。
そんな図式があったような無かったような。
かわいいものって、持っているだけで嬉しくなるし見ているだけで楽しい気分になるし。もっと言うと、誰かとの会話のきっかけになったり、その場の雰囲気を和らげてくれたり、落ち込んだときの支えになったり。

上手く言えないけれど、女子の毎日には無くてはならないものなのです。たぶん。

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Kawacolleをスタートさせて4年目。
お別れの際に、今したいことは何ですか?の質問に、
「時間があったらずーっとカワコレを更新していたいです。とにかく時間がほしい~」と応えてくださったkeecoさんでした。
目標は一日一アイテム更新。すでに50こ以上のストックがあるとか。keecoさんのカワイイ探究の道はまだまだ長く続きそうです。


【Kawacolle(カワコレ)】
ウェブデザイナーのkeecoさんが運営する、”かわいい” デザインのコレクションサイト。お菓子のパッケージや紙モノ、WEBサイト、雑貨など、見ていてちょっと幸せになるような”かわいい”ものがたくさん!
http://kawacolle.jp/


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◇おしらせ◇


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nunocotoスタッフ。編集・コンテンツ系を主に担当。2人の男児の母。手づくりするのはだいたい真夜中。I-padを相棒に、昔のドラマや映画を観ながらチクチクするのが好きです。新聞配達のバイクの音で我に返ることもしばしば…。でも作っている間は不思議と眠くならないんですよね。

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