FU-KO(美濃羽まゆみ)さんインタビュー:愛おしい場所。愛おしい人たち。

FU-KOさんのインタビューその3です。

京都の町屋で服をつくる人、FU-KOさん。新刊本のウラ(?)ばなしをちょっと。

ものづくりに思うこと。「欲を手放したらひょっこり夢が叶いました」
に続いて、ラストとなる今回は、京都の暮らしと家族について。

まめぴーくんとゴンちゃんもいっしょにご近所の公園をお散歩しながら、
ぽつりぽつりと話される言葉は、どこまでも温かいまなざしに溢れていました。

育てる住まい、町屋のいいとこ。

FU-KOさんと町屋暮らし。今では切り離せないイメージのように思えます。
住みにくい、と敬遠されることも多い町屋に、あえて住まわれている理由をお伺いしました。


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― 空気がひんやりしていて気持ちがいいですね。こんなにしゃべっていてものどが乾かない(笑)。でも冬はやっぱり…相当寒いんでしょうね。

「ええ、それはそれは。夏は涼しいけど冬はめちゃくちゃ寒いですよ。冬、起きて温度計見たら2℃だったこともありますね。今日ちょっと寒いね~って言ってたら窓が開いてたこともあって。外と気温が変わらないから開いててもあまり気付かないんです(笑)」

― それはかなり。

「でもやっぱり、空気がいつも新鮮だなと思います。結露とかカビとかがまったく出ないし。なんやろ、空気が循環しているのと、土壁だからかな。(土壁は)湿度が多い時は吸ってくれて、空気が乾燥しているときは出してくれる。ありがたいです」

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― ずっと町屋に住みたいと思っていらしたのですか?

「結婚して家を買おうってなったときに、主人の方が町屋じゃないと!ってこだわってました。木の家に住みたいとずっと思っていたみたい。でも今はほんとに少なくなってますから。ここに決めるまで3年ぐらいずっと、新聞の切り抜きを集めたりして町屋を探してましたよ」

― こういった住居はメンテナンスも必要ですよね。

「そうみたいです。シロアリとか井戸を埋める対策とか結構手がかかるし、耐震も考えると…ね。段差もあるし階段は急だし。ほんで持ち主が亡くなると手放す場合が多いみたいです。壊されて更地になって。たいてい町屋って路地の奥に建てられているから、建て直しもできなくてそのまま朽ちていってしまうようですよ」

― なるほど。でもメンテしがいがありますよね。磨けば光る、みたいな。

「そうそう。あ、良いところ言っていいですか?(笑)以前は普通のマンションに住んでいたんですけど、6年前にこの町屋に来て、体調が良くなった気がします。それに、とにかく声が通る」

― あーあー。 …あ、ほんとだ!(笑)

「でしょう。ドアがないから遮断するところがないんですよ。ふすまと障子だし。みんながどこにいるかすぐわかるのがいいですね。まめぴが泣いたら、家の中のどこにいてもすぐわかるから。逆に言えばプライバシー無いんですけど(笑)」

― 階段もなかなか急ですが、まめぴーくんは気にせずわっしょいわっしょい上がっていきますね!

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「そうですね~。最初は心配やったけど意外と大丈夫みたい。このまましばらくは町屋暮らしを楽しんでいきたいと思っています」


↓ 障子の透け感を堪能する(?)まめぴーくんと戯れ中。

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おてて発見。


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いないいない…


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ばー! (くぅーっ、かわいい…!!)

ご主人との出会いは舞台の上?裏?

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― 土屋鞄さんのカタログ、拝見しましたよ! (※「土屋鞄のランドセル」の2015年版・2016年版のカタログにFU-KOさんのご家族の写真が掲載されています)

「あー、ありがとうございます(照)」

― あの、ワイルドなご主人との出会いについて教えてください!(いきなりですが)

「(笑)主人はですね、16歳年上なんですが。大学の先生だったんです。直接の先生ではないんですけど。私の先輩が主人の教え子で」

― せんせいっ!!

「私、大学のときに趣味でお芝居をしてまして。主に小道具係としてトンカチを。ときどき役をいただいて演じたりもしていました。そのとき俳優として参加していた主人と知り合って。一度2人でね、熟年離婚する夫婦役をやったこともあるんですよ~(笑)」

― まあ!それで本当に夫婦になったという…。いいエピソードです。。

「いや~、そのときはまさか結婚するとは思いませんでした。だってようしゃべる人やったから!(笑)卒業して再会して呑んで「恋人いるの?」「いない」…で、いつの間にか結婚していたという感じで」

― 演劇という共通の趣味が決め手、ですか?

「うーん、いや、趣味はまったく似てないですね。ね、ゴン、ちゃーちゃんととーちゃん似てないよね?(「うん、ぜんぜんにてなーい」とゴンちゃん)まあ、こだわっているモノとか町屋好きなこととか、そういうところは同じですかね」

― なるほど。他にはありますか?

「なんやろ、たとえば、そのままでいいじゃないって言ってくれるところは、すごくありがたいですね。あれがダメ、これがダメ、とか言わずに、「いいやん」「やってみたら」とか認めてくれるとこ」

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FU-KOさんが淹れてくれた珈琲。
実はご近所に住む仲良しの従兄弟さんがオーナーを務める「珈琲工房4331」のもの。深みのある味わいでした。


「子どもはなるべく自由に育てたいなあと思っているんです」

ここからはお外へ。ご自宅近くの、公園と隣り合わせの神社へのんびりお散歩。
桜が満開でそれはそれは美しい光景でした。

― FU-KOさんご自身は、お姉さんと歳が離れていらっしゃって2歳差の甥っ子さんと兄妹のように育った、とのことですが、ゴンちゃんとまめぴーくんとほんとにゆったりと関わっていらっしゃって、羨ましいなあと思います。

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「子どもはなるべく自由に育てたいなあと思っているんです。自分は結構習い事だらけだったから、小さいころは遊ぶ時間が欲しくてしょうがなかったんです。だからなのか、子どもたちには習い事をさせたいとは思ってなくて。やりたいならやったらええよ、ってぐらい」

― 習い事さえさせておけば親も安心、ってところもあるんでしょうね。

「そうやろうな~って思います。でも私の場合は、そのおかげで友達と遊ぶ時間がなかったんです。その分一人で本を読む習慣がつきましたけど。だから、子どもたちとはできるだけ向き合って、特別なことをしなくても楽しいねってことを共有できたらなあと思っています」

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写真とわたしと写真

― ブログでもとても素敵な写真を撮られていますが、どこかで習ったとか?

「いえいえ~、ぜんぜん。でも小学生のころから、父のおさがりのカメラでお花やぬいぐるみを撮ってました。そんで、ただ撮るんじゃなくて、ぬいぐるみを置いてレイアウトしてシーンを作って撮ったり…」

― 今につながってますね!

「ほんとだ(笑)。あと、私ずっと絵を習っていたんです、12年ぐらい。水彩とか油絵を。楽しかったな~。写真の構図とか気にするのも、もしかしたらそれが関係あるのかも」

― 特に家の中で撮影された写真は、あのトーンが独特ですよね。今日、お宅に伺ってみて、なるほどと思いました。町屋ならではの明り取りの窓や構造、そっと差し込む明かりがあの陰影を生むんですね。

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「あとは意識してアンダーめに撮ってます。その方が質感が出るかなあって」

― ごんちゃんやまめぴーくんの表情や仕草など、お母さんにしか撮れないものってきっとあるんだろうなと。

「そうなんですかね~。ただ、カメラはいつも持ち歩いてますね。ストラップも邪魔やから取っちゃって、カバンにそのままズボって入れてます」

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お話をしながらも、ささっとカメラを向けてパシャパシャと2人を撮影されるFU-KOさん。
さすがに素早いです!





さて、3回にわたるインタビュー、いかがでしたでしょうか。

FU-KOさんの作る服のように、FU-KOさんご自身もナチュラルでたおやかさに溢れた素敵な女性でした。
お話を伺ったご自宅は、あちらからこちらからとそっと差し込んでくる柔らかな光たちが心地よくて…。
そして家中に置かれるのは、‘良いもの’フィルターを通して選ばれた愛着のあるモノたち。

たくさんの発見をいただきました。

FU-KOさん、長時間のインタビューに応えてくださって、本当にありがとうございました!


<インタビューおわり>


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その1:京都の町屋で服をつくる人、FU-KOさん。新刊本のウラ(?)ばなしをちょっと。

その2:ものづくりに思うこと。「欲を手放したらひょっこり夢が叶いました」

その3:愛おしい場所。愛おしい人たち。


FU-KOさんの人気の連載コラムも合わせてお読みになってみてくださいね。
[~京都、町屋だより春夏秋冬~]
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nunocotoスタッフ小宮

nunocotoスタッフ。編集・コンテンツ系を主に担当。2人の男児の母。手づくりするのはだいたい真夜中。I-padを相棒に、昔のドラマや映画を観ながらチクチクするのが好きです。新聞配達のバイクの音で我に返ることもしばしば…。でも作っている間は不思議と眠くならないんですよね。

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