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FU-KO(美濃羽まゆみ)さんインタビュー:ものづくりに思うこと。「欲を手放したらひょっこり夢が叶いました」

FU-KOさんのインタビューその2です。
前回は、新刊についてお話を伺いました
>>>京都の町屋で服をつくる人、FU-KOさん。新刊本のウラ(?)ばなしをちょっと。

その続きで今回は、ものづくり・お仕事についてです。
今年で5年目となるFU-KO basics.をはじめるきっかけや、日々のモノづくり哲学について。

5年間で見えてきた仕事のリズムとちょうど良いあんばい

― FU-KO basics.として洋服づくりをスタートして5年目ということですが。5年前と比べて一番変わったことはなんでしょうか。

「やっぱり子どもの成長に合わせて、仕事のペースが変わりましたね。最初はネットオークションという形で始めたのですが、始めたころはまだゴンが2歳で保育園も行っていなくて。アトリエも無く居間で、あ、ここですね、ここでミシンしてたからもちろんいたずらされるし掃除も大変だし…」

― 小さなお子さんがいながらミシンをするのは大変ですよね。子どもが寝たあとに、って思うと夜更かししてしまうし。

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「そうそう。わたしもその頃は夜中までやってしまって翌日辛くなったりして。主人にも怒られました(笑)。その後まめぴーが生まれて少し服作りをお休みして、また保育園に行き出してから再開したのですけど、今はだいぶ健康的なリズムになりました」

― FU-KOさん、オーダー分の洋服も作って、本に掲載する服のパターンも開発して、それで育児も家事もして、ブログも丁寧に頻繁に更新されてるし、しかもメールの返信も早い(笑)。
いったいいつ寝ていらっしゃるんだろう、って心配になります。

「そうですか。ありがとうございます(笑)。大丈夫です、夜は子どもといっしょに寝ちゃってます。だいたいいつも、子どもたちを保育園に送って家事を一通りやって、晩御飯の準備までして、あとは一気に制作しています。夕方になったらお酒が飲める!というのを楽しみに日々頑張っているんですけど(笑)」

― おお!(笑)それで、仕事のペース、というか量もここ数年でずいぶん増えていらっしゃいますよね。

「そうですね~。作ってほしいというお客様の気持ちにできるだけたくさん応えたいなって思うと、作る服の量は増えてきましたね。今は大体ひと月に100着前後の服を作っています。あ、ちょうどこの間年末に個展がありましてそこで受注したものを製作中で…」

― メリーゴーランドさんで開催された個展ですね。

「はい。それで200着近くのオーダーを受けまして。もうちょっとで納品できるのですが、ちょっとお待たせしてしまっています」

― 200着をお一人で作るんですね。ちょっと想像がつかないです。

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「一人工場状態ですね。最初に計画表を作って、そこからしばらくはなるべく何も考えない。自分をマシーンだと思ってやりますから」

― 音楽を聴いたりしながら?

「いえ、もう無音です(笑)。それはもう黙々と集中して。今日はけっこうしゃべってますけども、普段は一日中、ずっとミシンとパソコン相手ですから。保育園にお迎え行ったときに、声が出ないときありますよ(笑)。あーなんか今日初めて人としゃべったわ〜!って」

― 作家さんあるあるですね。大量に作るときはどういう工程になるのでしょうか。

「同じ工程を一気に全部やります。ひたすら裁断、ひたすら縫う、とか。今回は、裁断だけで1ヶ月丸々かかりました。200着分の裁断。これ、ここにハサミのタコができました」

― 裁断で1ヶ月!

「私裁断が一番時間掛かるんですよ〜。でもね、裁断が一番大事ですからね。ゆっくりていねいにやりたいんです。それで全部カットしたら、一着分ごとに袋に入れてシール貼って管理してます」

書くことで、やりたいことや理想としてることが明確化してきた

ネットオークション→楽天のECショップさんでの委託販売→直接受注受付と、少しずつ売り方は変わっても、とにかくお客様との関係が第一、という根っこの思いはずっとブレることのないFU-KOさん。

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「けーくんもやるの~?」

― 最初はゴンちゃん(娘さん)のために、と思って始めた服づくりが、今は本当にたくさんの方に広まっていますね。

「そうなんですかね~。それはもうほんとにありがたいことです。服作りを通して、かけがえのないご縁も数々ありました。服を作り始めたばかりのオークション時代から付き合いのあるお客様とは、絆とも言えるぐらいの友情が生まれましたし」

― そうなんですか。そしてFU-KOさんといえば日常の暮らしを綴るブログが人気ですね。あれを見てファンになった、という方が多いんだろうなと思います。

「ありがとうございます。なんとか続けられてます。あのブログを通じて自分のことを客観的にみつめることができるようになったり、日常的に文章を発信することで、自分のやりたいことや理想とすることがくっきりしてきたように思います」

― 人に伝えることで自分そのものが見えてきたような。

「はい。この5年間、思い起こせば変化、変化、変化だらけだったなって。だからブログを書いているうちに、その変化が「明確化」したような感じです。私自身としては、やってることはずっとミシンとパソコン相手で変わらないんやけども。皆さんの声に自分なりにできるだけ応えながら、流されるままに淡々とやってきたように思います」

― 周りの人に押されて、というのも何かをはじめる立派なきっかけにはなりますよね。

「そうですね~。服作りを仕事にしてみようかなと思ったのも「娘のために作ったものを、共感できる人におすそ分けできたら」ってぐらいの軽い気持ちではじめたことやけど、そのうち「いいものを作るために、丁寧な暮らしをしたい」とこつこつ頑張るうちに、その姿勢のようなものに共感してくれるひとが想像以上に広がって…」

― 本を出すきっかけも、ファンの方の後押しだったとか。

「委託先のcoconoteさんを偶然ご覧になった編集者の方から声をかけていただいて、日本ヴォーグ社さんのソーイング雑誌でインタビューをお受けしたんです。その後何点か型紙を掲載させていただいて。その時にいただいたアンケートはがきがとても多かったみたいです。それでそのままヴォーグ社さんから、ぜひ本を出しませんかとお話をいただきました。いわばお客さんからの熱い声に押されて、です」

― なるほど~。instagramでも[#美濃羽まゆみ]のタグで検索すると、たくさんの投稿がありますよ。

「そうなんですか~。嬉しいです。今までもそうなんですけど、わたしは今も循環の中にいるんやな~と思います。ご縁に運ばれてきた、という感じ」


人生はじめての物づくりは・・・身近なアレで作ったバッグ

― FU-KO basics.としてスタートする前は、物づくりはされていましたか。

「結婚する前も手づくりはしてました。けどミシンは無かったですね。本格的に服を作ろうと思ったのは、ゴンが産まれてからだから」

― 子どものころ、たとえばゴンちゃんぐらいのころはどうでしょう。

「あ~、今思い出したエピソードがひとつあるんですけど。わたし子どものころ母とスーパーに行く度に、無料のビニール袋とビニール紐でバッグを作って持ち帰ってました」

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― え、何ですかそれ(笑)

「ロール状の、お肉とか入れる透明のビニール袋です。あれでね、買ってもらったお菓子を入れるハンドバッグを作ってました。毎回(笑)」

― 毎回、行く度にですか。

「はい、毎回。ちゃんとこだわりがあって、ふたが開け閉めできるようなやつなんですよ~。今思うとそれに付き合ってくれた母もすごいなあ。あれがたぶんわたしの最初の物づくりです、たぶん」


遠回りが実は近道だった

― 子どものころから得意だったことが、今は仕事になって。きっとFU-KOさんに憧れて同じ仕事を目指そうと思う方もいらっしゃると思います。

「わたしはもともと長く絵を習っていて。絵を描くことが好きだったので芸術的に表現する仕事に就きたかったけど、
それは一度あきらめたんです。実際に大人になってからはウェブ業界の仕事を経験して、それから子育てもして。そんな風に色々遠回りをしたことで逆に、本来自分がやりたかった「表現」の仕事に行きついたことに不思議な縁のようなものを感じています」

―ひとつひとつの遠回りのタイミングが、結果的にベストだったのかもしれませんね。

「そうかもしれません。“わたしはぜったいこれがやりたい!”という欲のようなものを手放して執着から離れたら、ひょっこりその夢がかなうことがあるんだなあ、って。そんな風に思っています」

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FU-KOさんのお話の中に何度も登場する、「縁」という言葉。
日々の物づくりの土台なっているのは人であって縁である、という想いを大切にしながら今日もミシンを踏むFU-KOさんです。

次回はFU-KOさんの周りに散りばめられた「愛おしいものたち。愛おしい人たち。」についてお届けします。

※インタビューの内容は4月2日現在のものです


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その1:京都の町屋で服をつくる人、FU-KOさん。新刊本のウラ(?)ばなしをちょっと。

その2:ものづくりに思うこと。「欲を手放したらひょっこり夢が叶いました」

その3:愛おしい場所。愛おしい人たち。


FU-KOさんの人気の連載コラムも合わせてお読みになってみてくださいね。
[~京都、町屋だより春夏秋冬~]
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「ヌノコトインタビュー」の一覧

Kawacolle(カワコレ)主宰:keecoさんインタビュー
FU-KO(美濃羽まゆみ)さんインタビュー:愛おしい場所。愛おしい人たち。
衣類のこれから探究ユニットさんインタビュー
nunocotoスタッフ小宮

nunocotoスタッフ。編集・コンテンツ系を主に担当。2人の男児の母。手づくりするのはだいたい真夜中。I-padを相棒に、昔のドラマや映画を観ながらチクチクするのが好きです。新聞配達のバイクの音で我に返ることもしばしば…。でも作っている間は不思議と眠くならないんですよね。

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