201411/12

紅茶風味のりんごのジャム

二十歳ごろの私は紅茶ばかり飲んでいた。
理由はあくまでシンプル、コーヒーが苦手だったためだ。
コーヒーの苦味と飲んだ後に残る喉越しがあまりにもきつくて、
どうして美味しいと思うのだろう?といつも疑問に思っていた。
またこの頃たくさん読んでいたイギリスの児童文学の影響もあるのかもしれない。
お話の中に出てくるお茶を飲むシーンはどれも素敵で、
こんな風に時間を過ごしてみたいなといつも憧れていた。
今となっては懐かしい思い出だ。

一つのことが気になると、とことん突き詰めたくなるのだろう。
図書館に行く度に、紅茶の本をとっかえひっかえ借りてきては、貪るように読んでいたのもこの頃だった。
その中で学んだことは、美味しい紅茶を飲むためにはどうしたらよいか?ということだった。
茶葉を入れる前にポットを必ず温めること、お湯を入れたら何分間か時間をおくこと。
リーフでもティーバックでも同じ、どちらもこの手順さえ守れば美味しい紅茶が淹れられる。
それまでマグカップにティーバックを直接入れてすぐに取り出していた私は、
お小遣いを握りしめて紅茶ポットとミルクポットを買いに行った。
「陶器で出来たもの、陶器で出来たもの……。」と唱えながら売り場をうろうろしていると、不思議なことに自然とそのものに出会う。これにしようというものをすぐに見つけ、買って帰った。嬉しくて、何度も何度も紅茶を淹れた。もちろんいろいろな人にも私の淹れた紅茶を飲んでもらった。
またマグカップで入れる時は、お湯を入れた後お皿で蓋をして、少し時間を置いてから飲むようになった。
私の淹れる紅茶の味が少しずつ変わっていった。

そして、世の中には様々な紅茶が出回っていることを本を通して知った。
リプトンの青缶、トワイニング、日東紅茶。フォートナム&メイソンにハロッズ。
写真とともに特徴が書いてあり、一体どんな味や匂いがするのだろうと興味を持った。
いろいろな種類の紅茶を購入しては試してみた。
好きな味もあれば苦手な味もあった。当たり前のこと、好みの味ってあるのだなと身体を通して知った。
また、ストレートで飲むのなら、ミルクを入れて飲むのなら、果物を入れて飲むのならと、
飲み方に合わせて紅茶の種類を変えることもこの時一緒に学んだ。
用途に合わせて種類を変えることで味に深みが生まれ、
紅茶の世界が一気に広がっていった。

こうやって紅茶と出会った頃をふと思い返してみると、
実は手仕事も紅茶の世界と一緒なのではないか?と思う。
手順を一つ一つ丁寧に行うこと。好みの味を見つけること。用途にあわせて材料を変えること。
たったこれだけのことで、手仕事の味は美味しく、そして奥深く変化していく。
変化したら、この味を食べてもらう相手にどう感じて欲しいかというスパイスを加える。
相手の顔を思い浮かべて静かに考える。あぁ、こう思ってくれたら嬉しいな、と。
出来上がった手仕事は私の元を離れ、食べてもらう相手のためのものとなる。
相手が手仕事を食べた始めた瞬間、ドキドキは予告もせずにやってくる。
願わくはこの味を食べて肩の荷をそっとおろしてくれますように。

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りんごジャム(紅茶風味)のつくりかた

【材料】
りんご(紅玉) 2個(正味約400g)
紅茶(濃いめに淹れたもの) 75cc
砂糖 60g
レモン汁 大さじ1

【作り方】

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1.りんごは皮を剥き、種と芯を取り、縦に8等分します。8等分したものを約5mm程度の薄さに切ります。
2.りんごを鍋にいれ、紅茶を加えてさっと混ぜ、中火にかけて蓋をします。沸騰したら、中弱火で7分程度蒸し煮にします。蓋は隙間から蒸気が出る程度にずらして置きます。蓋を開けると鍋の温度が下がってしまうので、開けないようにしましょう。

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3.りんごが柔らかくなり崩れてきたら、ゴムベラでつぶします。ゴムベラで押してつぶれなければ、蓋をしてさらにもう少し煮ます。水分が減って焦げ付きそうな時は少し水を足しても大丈夫です。
4.煮崩れたら砂糖を加えて混ぜます。蓋を開けたまま弱火で5分程度煮て、レモン汁を加えひと混ぜしてから火を止めます。
5.味をみて甘さが足りなければ砂糖を、酸味が足りなければレモン汁を足します。数時間冷ませば出来上がり、一晩置くと味がなじんでより美味しくなりますよ。

✳︎ふじなど固めのりんごで作る場合は、蒸し煮の時間を25分程度にします。

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吉澤美季

東京都在住。 キャンプリーダーとしての長年の経験を生かし、自宅にて、親子向け・大人向けの料理教室を主宰。ひょんなところから知り合った写真の仲間と「寫眞譚」を結成して活動中。 手仕事をこよなく愛し、「幸せは日々の暮らしの中にこそある」がモットー。だからこそ、ていねいに、愛おしみながら、慈しみながら。 ブログ「きょうもていねいに。」http://yoshizawamiki.com/

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