友だちが来る日のグラノーラ
目覚ましをかけて起きなくてよい前の日は、
ついつい夜更かししたくなる。
DVDを観るもよし、本を読むもよし。
編みものするもよし、ただただぼーっとしているもよし。
起きていなくてはいけない理由はどこにもないし、
起きてやらなければならないことがあるわけでもない。
それでもついつい夜更かししてしまうのは、
明日は何時に起きてもいいという開放感からやってくるのかもしれない。
ただ、自分がやりたくてやっている夜更かしをしていて困ることは、おなかが空いてくることだ。
こんな時間に食べたら身体が休まらないとわかってはいるのだけれど、
ついつい何かしらの食べ物に手が伸びてしまう。
ある夜も、毎度のことながら今日は特別だからいいよねと、
何か食べるものはないかしら?とキッチンを物色していたら、
グラノーラが入っている缶が目に入った。
グラノーラかぁ…、と思いながらも蓋を開け、一口、二口と口に入れる。
香ばしい麦とナッツ、甘いレーズン、ほのかに香る蜂蜜。
これには絶対赤ワインが似合うよなと、ちょうどうちにあった赤ワインをグラスに注ぐ。
まるでこの日のために用意されていたかのよう。
赤ワインを少しずつ飲みながら、またグラノーラを一口、二口。そしてまた赤ワインへ、と。
至福の一時ってこういう時間のことをいうのかもしれない、身体中が和らいでいく。
けれどもはたと気づいてしまった。
これって食べづらくないかしら?
もっと食べやすい方法ってないのかしら?
クッキーのフィリングにする、シリアルバーにする。
ちょっと手がかかりすぎているうような気がするな。
もっとお手軽で、気楽で、簡単に作れるものがいいな。
そうだ、チョコレートでまとめるのはどうかしら?
チョコレートを溶かして、生クリームも入れてガナッシュ仕立てに。
そこにグラノーラを入れて固める、と。
うんうん、いい感じ。
これなら食べやすい。そして美味しいに決まっている。
今すぐ作ってみようかなと冷蔵庫をのぞいてみたのだけれど、
ダメだ、赤ワインがいい感じで身体中に染み渡ってきている…。
明日にしよう、明日作ろう。
朝起きたら、真っ先にスーパーに行って、必要なものを買って、作ることにしよう。
上手に出来たら、誰かと一緒に食べる、なんてどうかしら?
久しぶりにあの子に電話して、うちでお茶しないって誘ってみるの。
そうだ、そうしよう。それがいい。
そのためにはそろそろベッドに入ったほうがいいよね、と、
時計をちらっと見る。
電気を消す。
おやすみなさい、いい夢を。
*
友だちが来る日のグラノーラ「グラノーラ・チョコボール」の作り方
【材料】(直径約2.5cmのチョコボール、約10個分)
基本のグラノーラ 50g ※基本のグラノーラの作り方は こちら
チョコレート 100g(板チョコ2枚)
生クリーム 50cc
純ココア 適量
オーブンペーパー
アルミホイル
【下準備】
・チョコレートは作る直前まで冷蔵庫に入れて冷やしておく。
【作り方】
1)チョコレートをめん棒等で叩いて細かく砕き、ボールに入れます
2)生クリームを鍋に入れ、中火にかけ沸騰寸前まで温めます。1のボールに一気に注いで、泡立て器を使って一定方向にかき混ぜます。チョコレートが完全に溶けて滑らかなクリーム状になるまでかき混ぜましょう。途中、生クリームの温度が下がってしまいチョコレートが溶けなくなってしまったら、電子レンジで温めても大丈夫です。10秒くらいずつ様子を見ながら温めるといいですよ
3)基本のグラノーラ(※参照)を入れ、ゴムべらでゆっくりとかき混ぜ合わせ、そのまま涼しいところに置きます。ときどきかき混ぜながら、もったりとするくらいの固さになるまで冷やします。かき混ぜすぎると空気が入ってあとで手で丸めにくくなるので注意しましょう
4)チョコレートを同じ大きさになるようにスプーンですくい、オーブンペーパーを敷いた天板の上にきれいに並べたら、冷蔵庫で30分冷やします
5)冷蔵庫で冷やしたチョコレートを手のひらでお団子状に丸めます。手が温かいとどんどんチョコレートが溶けて行くので、手は冷水などにつけて冷やしておきましょう
6)お団子状にしたチョコレートを再度オーブンペーパーの上にのせ、冷蔵庫で1時間くらい冷やします
7)食べる直前に茶こしを使ってココアをふりかけ、最後にアルミホイルでラッピングしたら出来上がりです