Vol.10

妊婦におすすめの運動とは?

ひと昔前は、妊娠すると「お腹の子どもの分まで二人分食べて」「妊娠中の運動なんてもってのほか!できる限り安静にして」などと言われ、出産時には10kg以上体重が増えていたという人も珍しくありませんでした。しかし、現在では、体重増加の目安はBMI値が標準の人で7~10kg程度といわれています。これは、体重が増え過ぎると難産になる可能性や妊娠高血圧症候群になる確率が上がるため。そこで、体重の増え過ぎを防ぐためにも、妊娠中の体調が良ければ、生活の中に適度な運動を取れ入れてみると良いでしょう。

おすすめのマタニティスポーツとは?

妊娠中におすすめの運動は、リズミカルに身体を繰り返し動かす有酸素運動。有酸素運動は、酸素を体内に取り込んでエネルギーに換える能力が高まるといわれており、ママにもお腹の赤ちゃんにも嬉しい運動です。具体的にどんなスポーツがあるかというと…

  • ウォーキング:特別なグッズや準備がいらず、思い立ったらひとりで始められる手軽さが魅力。いつものお散歩や通勤時間を活用してもOK!背筋をピンと伸ばし、軽くあごを引くのが正しい姿勢です。歩きやすい靴でかかとから着地し、できるだけ大股で歩きましょう。前後のストレッチも忘れずに。おすすめの時間帯は、午前中です。夏場は、気温が上がる10時以降の戸外でのウォーキングは避けた方が良いでしょう。
  • マタニティスイミング(マタニティアクア):浮力のおかげで、お腹が大きくなってからも動きやすいのが嬉しいポイント。呼吸を止めて潜るため、出産時のいきみや呼吸法の練習になります。水着やゴーグルを揃えて、マタニティスイミングの教室に通う必要がありますが、そこでプレママ友達ができたり、インストラクターからのアドバイスを受けられたりと、出産に向けた情報交換などができるのも良いところ。
  • マタニティエアロビクス(マタニティビクス):エアロビクスをベースに妊婦向けに構成された運動です。出産に向けて体力をつけたい妊婦さんはもちろん、腰痛や肩コリ、便秘、足がつりやすくなったなど、妊娠と体重増加にともなう不調を緩和したい妊婦さんにもおすすめ。近くに教室がない場合は、自宅で専用DVDを見ながらひとりで運動することもできます。
  • マタニティヨガ、マタニティピラティス:教室に通うも良し、DVDを見ながら好きなときに行うも良し。マタニティヨガもマタニティピラティスも呼吸に重点をおいた静かな運動なので、マンション住まいの妊婦さんも近所への迷惑を心配せずに手軽にできます。ヨガやピラティスで習得した呼吸法とリラックス法は、出産のときにそのまま活用できるのが心強い!出産に向けて、身体だけではなく心の準備をしっかりしたい方におすすめ。

妊娠中の運動は、運動不足の解消、肥満予防、気分転換、プレママ友達やネットワークづくり、持久力の向上、ぐっすり眠れる、腰痛・便秘・むくみ・足のつりの緩和など、さまざまなメリットがあります。妊娠中に運動をしているとマタニティブルーにもなりにくいのだそう。とはいえ、何事もやり過ぎは禁物です。1回60分程度を目安に、妊婦さん自身の体調や産婦人科の医師と相談して上手に運動を取り入れてくださいね。