Vol.11

管理入院になってしまったら?

管理入院とは、何らかのトラブルや経過観察の必要があって、出産予定日よりも前に入院をすることです。
入院の理由によって、入院中に制限されることは変わってきますが、自分自身は元気なつもりでも急遽入院することに…、暇な時間を持て余してしまった…という妊婦さんは、意外と多いもの。経過が順調な妊婦さんは「まさか、自分が…」と思うかもしれませんが、誰にでも管理入院になる可能性はあるということを心にとめて、少しだけ心の準備をしておくと良いかもしれません。

管理入院になるケースとは?

管理入院になる理由はさまざまですが、ここではその中の数例をご紹介します。心あたりがある方は早めに入院の荷物をまとめておき、会社勤めの場合は入院時に母子健康管理指導連絡カードを提出する必要があることを覚えておきましょう。

  • 切迫早産:妊娠22週以降に、子宮の収縮が進んでいたり、子宮頚管が短くなっていたり、子宮口が開いてきたりといった早産の兆候が見られて、安静にしていなくてならない状態です。妊娠検診や不正出血などによる検診外での受診から、そのまま自宅にも戻れずに入院となるケースがほとんどなので、事前に最低限の入院準備をしておくことがポイントです。
  • 妊娠高血圧症候群:以前は「妊娠中毒症」と呼ばれていた病気です。高血圧や尿タンパクが見られるときに、妊娠高血圧症候群と診断されます。妊娠中に急激に太った人や過度のストレスがかかっている人は要注意。
  • 多胎妊娠:双子や三つ子など、ふたり以上の赤ちゃんがお腹にいる場合、妊娠30週を過ぎると管理入院を勧められることが多くなります。病院や担当の医師の方針にもよるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
  • IUGR(子宮内胎児発育不全)・FGR(胎児発育不全):お腹の中で赤ちゃんの発育が遅れている・止まっている状態。管理入院後は、原因を調べながら必要に応じて治療が行われます。妊娠検診時に兆候が見られた場合は、入院の可能性について確認しておきましょう。

先輩ママに聞く!管理入院時の過ごし方

入院当初はずっと点滴だったので、ほぼ何もできず。本や携帯を見るのも疲れてしまうので、お見舞に来てくれた家族や同じ病室の人とおしゃべりをするくらい。落ち着いてからは、iPadで映画を観ていました。(Fさん)

本や漫画をたくさん持ち込んで読書三昧。出産後は本を読む暇なんてないと聞いていたので、育児書も何冊か読んでおいたのが良かった。出産後は授乳とオムツ替えに必死で、内容はほとんど覚えていないけど、困ったときに「そういえばあの本に書いてあったかも!」と思い出して、必要なところだけチェック。(Hさん)

食事の管理がメインだったので、許可を取れば外出もOKでした。荷物を取りに自宅に帰ったり、赤ちゃんグッズを買いに行ったりして気分転換をしました。(Yさん)

ベッドからなるべく動かないようにと言われていたので、ひたすらスマホでゲームをしていました。自己最高得点を出せたのが、出産の記念!?(Kさん)

生まれて来る赤ちゃんの名前を考えたり、にぎにぎやスタイを手作りしたりしていました。管理入院がなければ出産直前まで仕事に追われて、そんな時間も取れなかったと思うので、今考えると良い時間をもらったなと思います。(Nさん)

仕事や家事もストップしてしまう管理入院。できれば管理入院は避けたい…という妊婦さんが多いと思いますが、万が一管理入院が決まったときは、気分を切り替えてそのときにしかできないことをやっておくと良いですよ。出産後に「入院中にあれをやっておけば良かった」と思っても、後悔先に立たず!目の前の時間を大切に使ってくださいね。