Vol.8

戌(いぬ)の日って何するの?

「妊娠したら戌の日に帯を巻くらしい」ということは知っていても、どんな帯を巻くのか、どこで手に入れるのか、そもそもなぜ帯を巻くのか、戌の日について詳しくご存じの方は意外と少ないもの。「戌の日ってよくわからないし、謎だらけ。でも、お義母さんにもちゃんとしなさいと言われているし、戌の日にはどこかにお参りした方が良いのかな…」と迷っていたり、面倒に思っている妊婦さんも多いかもしれません。

そもそも戌の日とは?

戌(いぬ)は十二支の11番目の干支。戌の日は12日に1回めぐってくることになります。そういわれると「戌の日ってしょっちゅうあるんだ!」と気が緩むかもしれませんが、「戌の日のお祝い」をジャストタイミングで行う場合、チャンスは1日だけなのでご注意ください。「戌の日のお祝い」は、“妊娠5ヶ月目に入った最初の戌の日”に、妊婦さんが腹帯を巻いて安産祈願をする風習です。犬はたくさん子どもを産んでお産が軽いことにあやかった、日本独自の習慣です。

どうして帯を巻くの?

戌の日にお腹に巻く帯は「腹帯」や「岩田帯」、「妊婦帯」、「結肌(ゆはだ)帯」などと呼びます。妊娠5ヶ月目は、安定期に入ってお腹がどんどん大きくなる時期。腹帯には、お腹を固定して身体を支えたり、お腹を温めたり…という働きがあるため、この時期から帯を巻く習慣があると考えられています。昔ながらの腹帯は戌の日に儀礼的に巻いただけだったとしても、この時期からマタニティガードルなどを着け始めたという妊婦さんは、今でも多いようですよ。

腹帯はどうやって手に入れるの?

昔は、妊婦さんの実家が腹帯を用意することが多かったようですが、今では安全祈願に行った神社で購入したり、家族や親戚からプレゼントされたり、さらしを買ってきて腹帯にしたりと、さまざまなケースがあります。マタニティガードルに、祈祷でいただいたお守りを縫い付けて使うという方法もあります。

安全祈願はどこでするの?

戌の日の安産祈願といえば東京の水天宮が有名ですが、神社であれば特に「安産祈願」を謳った神社でなくても行ってくれるところが多いので、事前に聞いてみると良いでしょう。安産や子宝のご利益で有名な神社の場合、戌の日に大安や休日が重なると、とても混雑して祈祷までに何時間もかかる場合があるので、妊婦さんに負担のない距離や時間を考えて場所を決めるのがベスト。自宅や実家近くの神社であれば、出産後に赤ちゃんを連れてお礼参りに行きやすいというメリットもあります。

2015年の戌の日をチェック!

  • 1月:10日(土)、22日(木)
  • 2月:3日(火)、15日(日)、27日(金)
  • 3月:11日(水)、23日(月)
  • 4月:4日(土)、16日(木)、28日(火)
  • 5月:10日(日)、22日(金)
  • 6月:3日(水)、15日(月)、27日(土)
  • 7月:9日(木)、21日(火)
  • 8月:2日(日)、14日(金)、26日(水)
  • 9月:7日(月)、19日(土)
  • 10月:1日(木)、13日(火)、25日(日)
  • 11月:6日(金)、18日(水)、30日(月)
  • 12月:12日(土)、24日(木)

妊娠して5ヶ月目の最初の戌の日に祈祷に行こうと思うとなかなか大変。その日は、腹帯を巻き始めたり、パパに腹帯に「戌」という字を書いてもらったりするだけでもイベントとして楽しめます。安産祈願の参拝はあえて戌の日をはずして行くというのも、混雑を避ける意味でおすすめです。